kosukehirai

これは備忘録若しくは何年後かの私に向けたメッセージ

ぼくは何人間#2

※これは僕の空想上の自分である。エッセイ風の小説だ。

 

コンビニ人間」は面白くて一気に読み終えてしまった。文庫本の中では薄い方であるから集中力も途切れることは無かった。

 

こんなにも一冊の本を一日で一気に読み終えてしまうのは初めての体験であった。

 

電車の中では、ほとんどがスマホを眺めていて。その中で意思表示としての読書をする。

 

他とは違うアピールをするための読書。服装。髪型。

 

いったん本を取り出しさえすれば、読書はできる。その時点で力点は「僕は空いている時間に本を読む」アピールではなく、ストーリーの内容に意識を向けるよう心掛ける。

 

そんな風に本を読んでしまう自分に引け目を感じて、誰も見ていない自分の部屋とかでも読もうとしてみる。

 

こんなにも不純でダサい動機は無いな。と思いながら、「自分ではそれをわかっている」ことを免罪符にしている。

 

僕が何かをしようとする動機はファッションから始まる。それはあまりに人の目を気にしすぎているからだ。

 

バイトを選ぶときも、「カフェとかお洒落なバイトをしている人は、そういう自分が好きなんだ」と思われそうだとか感じてしまう。そうして結局、近場のスーパーのバイトをしている。

 

何を好きになるにも嫌いになるにも、まずファッションから考えてしまうから、本当に自分の没頭したいことや趣味、好きなものを見失う時がある。でも、ファッションから始まる趣味でも自分が楽しめていればそれでいいと思えたりもする。

 

自分と同じような服装をした人を見かけると、僕と何か同じような部分があるのかなと思ってしまう。

 

僕の好意が散乱している。「これは好き」「これは嫌い」とはっきりしない。世界中のどこかにはそれを好きな人がいて、その知りもしない誰かの気持ちを、好意を、理解しようとしてしまう。

 

好きな人の好きなものを自分も好きになってしまうように。

 

もしかしたら、僕は人間が好きなのかもしれない。

 

「人間好き人間」

 

なんか変態みたいだな。